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勝負師が隠した涙。 [スポーツ実践]

避暑を期待して、小淵沢に行ってきました。金曜深夜は、八王子から勝沼にかけて、バケツがひっくり返ったくらいの勢いで、50km/h規制が中央道にかかりました。渋滞を避けたいだけの理由で深夜出発しただけなので、双葉SAで車内泊しました。シュラフやお布団が無くても、今の季節は快適に寝られます。
八ヶ岳ポニーユースホステルに泊まりました。この時期の避暑地のホテルやペンションは高いし、お一人様は「ご遠慮」されてしまいます。空いてて、よかった(笑)。
最近の状況から、ユースホステルなんぞ時代遅れなのかと思い込んでいましたが、経営努力は実るんですね。評判がいいところには、常連さんがつきますね。
ペアレントも、ホステラーさんも、「旅好き、バイク好き、鉄道好き」に該当する人が多く、久々に活気のある楽しいミーティングがありました。風呂は、近くの温浴施設に送迎してもらいました。

さて、話がちょっと脱線しました。
寝坊して、昼前に小渕沢の街に着きました。ユースホステルの近くは牧場だらけ。それも馬。北海道や千葉県と並んで、山梨県は馬の産地。小渕沢はその中心というわけです。ユースにチェックインするには少々早すぎるので、ユースの近く(歩いても3分)にある山梨県馬術競技場に行きましたら、ちょうど障害と馬場、ウエスタンの大会がやっていました。馬場については、全日本の大会がお隣静岡県御殿場市で行われている関係で、ローカル色満載。まぁ、しかし、馬術の大会なんて、お金がないよねぇ。オリンピックでもメダルの期待が無いから、注目度も低いし。マスコミ取材一番の注目が、武田薬品の令嬢が美人だという…、そんなレベル。
さて、別に山梨に知り合いがいるわけでもなく、ぼーっと試合を見てても、どーでもいいわけで。初日は疲れてるのもあって、早々にユースに引き上げて、休もう…と思った。
夕ご飯はみんなで食べるんだけど、約2名フライングスタートで、次々に缶ビールを空けていく。おじいさんとおばさん、二人とも選手でした。一人で泊まれる宿が無くて、ユースにたどり着いたので、ユースの「しきたり、基本事項」も知らんかったんだとか。
お風呂から帰っても、この2人のペースは落ちない。それどころか、ワインを温浴施設で買いつけてそれも飲む飲む。おばさんのNさんは、この日出場した種目で1位をゲットしたんだとか!おめでと!この日は、話がオートバイや車、馬にと話が飛ぶは飛ぶで楽しかったミーティングでした。

次の日、おじいさんは朝一番の出番なので、早朝にチェックアウトしていった。あんだけ飲んだくれて、よく早起きできるな。ちなみに同じ部屋でした。4人部屋で4人入るというのも珍しいような。
Nさんはちょっと遅くから、3種目にエントリだとか。
自分は、そもそもは馬術を見に来たんじゃない。とりあえず、清里のスキー場から美しい眺めを見たいから言ってみたんだけど、清里は小渕沢と打って変わって、霧の中。もちろん視界0。粘っても晴れそうにもないので、速攻、小淵沢に降りてしまった。
やることなくしたので、障害飛越の見学をすることになった。今日は、「知っている」人が競技をやることが分かっている。見方が変わるのは当然ですね。
プログラムが進むにつれて、難易度が上がり、競争相手のレベルも上がる。最初の種目、Nさんは2位をゲットした。すごい、調子がいい。しかし2種目目は、2拒止1落下(全世界的には2拒止で失権ですが、ローカルルールで3拒止で失権)と振るわず。3種目目のメインイベントでは、1落下でした。1落下だから悪くは無いんだけど。
Nさんは演技を終えた後、しばらく準備馬場の奥でクールダウンをしたあと、しばらくしてようやく引き揚げてきた。乗馬したままのNさんに「がんばりましたねっ」って声をかけたけど、「今日は全然だめだったわ」と。
その時の眼が、決して謙遜をしているわけでなく、悔しさでいっぱいの、今にも涙がこぼれそうなのを懸命にこらえているような。もうそれ以上、かける言葉が無かった。
そういえば、インスペクションも一番最初に馬場に入り、終了時間になっても最後まで馬場を見つめてる。視線の鋭さが尋常じゃなかった。準備馬場で準備運動しながらも、他の選手の様子を見つめる眼差しが鋭く、昨日の飲兵衛のおばちゃんと同一人物とは思えなかった。その真摯な姿勢に、自分もドキドキしちゃいました。

思えば、自分。今まで、運動系部活と言えば、卓球部だけ。しかも転校生の途中入部で、ほどなく高校受験になったので、あまり気合を入れず。
高校の時は帰宅部。大学の時も、旅行系サークル。社会人になっても、本気系のスキークラブにも入らず、我流。
確かにSAJ1級、SIAゴールドは取れた。それは多分にラッキーだったと思う。特にSAJ1級はね。カービングスキーが導入され、スキー検定がドタバタに改訂され、カービングスキーにコブ斜面の技術はいらないという、間違った解釈がされた時、コブ嫌いの自分が、ごまかして取れたもの。これが良くなかった。それから1級取りなおしに失敗しても、「ま、持ってるしね」と余裕なのだ。テクニカルプライズや準指導員を目指すことも無く今に至る。
自分にとって、スポーツはプレジャーであり、たまに体を動かしていればいいもの、程度のもの。本気で挑んだことも、本気で悔しがったこともない。
そんな自分が不用意にかけた声に対して、Nさんが見せた一瞬の表情。なんか、鈍器かなんかで殴られたような気がした。
ユースの出会いは、基本は「行きずりの友達」。だけど、もしもう一回Nさんに会えたのならば、あの日の不用意な一言を、陳謝したいと思う。

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